独り言

私は3人兄弟。

私が1番上で、

3つ下に妹、

その5つ下に弟がいる。

私が小学2年の時に、

弟が生まれた。

弟が生まれた日の事は、

今でもよく覚えている。

前の日の夜に、

お腹が大きい母親に父が

「早く生まれないかな。明日生まれないかな。」

って言っていた。

すると次の日、

夕方私が学校から帰っていると、

妹を乗せて父が車を運転して、

途中まで迎えに来てくれて、

「生まれそうだから、お母さんは病院に行った。今から3人で病院に行こう。」

って父が言って、

私も車に乗った。

病院に着いて、

分娩室の前に行くと、

一組の家族が待っていた。

分娩室から、

「おぎゃー」

って赤ちゃんがないた声がして、

その家族が喜んでいると、

助産師さんに私達が呼ばれた。

ん?って感じだった。

そして、

消毒と着替えをして、

分娩室に入ると、

お母さんと

生まれたばかりの弟がいた。

赤ちゃんは赤いはずなのに、

弟は白かった。

2人が退院して、

父は沐浴はわしの仕事って

張り切って赤ちゃんを沐浴するし、

私と妹も赤ちゃんのお世話した。

おむつ交換もしたし、

たくさん話しかけた。

弟が歩いた日は、

家族そろっていて、

みんなで弟の歩いた歩数を数えた。

弟が得意げに歩いていて、

みんな笑顔だった。

私が中学生で部活が始まるまでは、

よく5人でお出かけした。

遊園地に連れて行ってもらったり、

お泊りしたりした。

その頃の写真を、

去年母親がメールで送ってくれた。

すごく懐かしくなった。

弟が小学に入るまでが、

幸せだったと思う。

この幸せがずっと続くと

その頃は漠然と思っていた。

弟が小学生になると、

授業についていけなくて、

障害を疑われた。

検査はしたけど、

障害ではなくて、

両親は怒っていた。

私は中学生になると、

部活に馴染めなくて、

問題児だった。

私が高校生になると、

母親が

「顕くんを殺した方がいいんじゃないか。」

って泣きながら言ってきて、

その時期の記憶が無い。

中学生になった妹は、

部活のキャプテンになって、

板挟みで苦労したらしい。

妹は高校生になって、

嫌いな同級生と

学校のクラスも塾も一緒で、

精神攻撃されて、

リストカットして、

転校を考えた時期もあった。

妹は高校卒業後、

2年浪人して、

(刑務所並みに厳しいと

言われる予備校の完全寮だった)

その後無事に志望大学に合格して、

卒業して、

今は社会人。

一人暮らしをしている。

私は5年前から

弟と二人暮らしをしている。

弟は、

大学受験に失敗して、

私と一緒に暮らしながら、

予備校に通ったけど、

半年して段々と出席しなくなって、

12月には完全に行かなくなった。

その年は大学受験しなくて、

3ヶ月家出した。

5月に戻ってきて、

予備校に行かず、

勉強せず、

何もしていなかった。

その年は、

「勉強していないから、受験しない」

と宣言して、

本当に受験しなかった。

その次の年に、

受験費宿泊費込みで

40万円かけて

私立大学に3校併願して

奇跡的に合格して、

今は大学2年生。

宅浪していた時は、

何もしていないから、

どうなることかと思ったけど、

合格して良かった。

弟との二人暮らしは、

良い事もあるけど、

悪い時もある。

「死ね」

って言われた時は、

死のうと思った。

どん底に突き落とされた感じがした。

弟は自殺願望があるけど、

簡単に死ねって言う。

言われる度に、

死にたくなるし、

振れ幅は同じくらい、

楽しい時や嬉しい時もある。

でも、

今までの人生で、

1番幸せだった頃は間違いなく

弟が生まれてから、

私が塾に入るまでの期間。

その頃は幸せだった。

まだ何も知らなくて。

家族が笑顔で、健康で。

毎日みんなそろってご飯を食べて。

何気ない毎日が幸せだった。

その頃の悩みなんて、

今、考えれば、

ちっぽけだった。

私の大切な幼少期。

書いていて泣いている。

その時は何とも思っていなかったけど、

確かに幸せだった。