白鳥

母親は娘に悩みを打ち明けた。

少女は母親を救いたかった。

救いたい、その思いは強いけれど、

救えない事は痛いほど分かっていた。

弟や家族のために、

表向きは平静を装っているものの、

心の中ではもがき苦しんでいた。

少女は自分の無力さを悔やみながらも、

出来る事を必死にさがした。

ふと小説の一説を思い出す。

優雅に浮かんでいるように見える白鳥も、

その水面下では必死に足をもがいている。

少女の姿と白鳥の姿が一致する。

誰もが悩みを抱え苦しんでいる。

大なり小なり違いはあれど、

どこでも家庭問題は存在する。

私に出来る事は限られているけれど、

出来る事を精一杯がんばろう。

白鳥のおかげで気持ちが楽になれた。