それまで、
言葉自体は知っていたけれど、
自分には関係ないと思っていた。
高校2年の梅雨。
突然降って湧いた養子縁組の話。
相手は血縁関係の無い、
全く知らないおじいさん。
事業にお金が必要だったとはいえ、
両親が養子縁組に賛成している事が、
不愉快だった。
女は不要。
その一言で片付く世界にいて。
まるで不要な私が売られたようで、
不愉快だった。
その数年後、妹で話がまとまれば、
私にまた養子縁組の話がきた。
家や土地の管理が出来ないから。
ただそれだけの理由で養子縁組。
断らない両親にさすがにイラついた。
子どもを駒としか見ていないのだろう。
何故賛成するのか。
何故断らないのか。
分からないし、
分かりたくもない。