十字架

女は不要だ。

その一言で片付くような世界を生きてきて。

私は女だから何も出来ない。

あの子は長男だから、全ての役割を背負わされ。

あの子はその役割が重荷で苦しみ、

私はあの子に背負わせてしまった事が後ろめたく。

もし私が男に生まれていれば、私が背負えた。

そうすれば、あの子は自由に生きられた。

考えても仕方ないけど、そう思ってしまう。

女に生まれたということ。

女なのに生まれてきた事への後悔。

あの子に全てを背負わせた責任。

何も出来なくて、ごめん。