昨夜の出来事。

「誰か俺を殺してくれ。」

「もう生きるのあきらめとる。」

二人暮らししている弟のつぶやき。

定期的にこういう類いの言葉を言う弟。

排他的な田舎に生まれ。

男だからという理由で、

跡取りとして育てられた。

レールに従う人生が嫌な事は分かる。

でも自由だからこそレールを求める人もいて。

結局は、無い物ねだり。

弟のつぶやきに、

何で?どうして?と聞いたところで、

今までの会話から返事は想像つくし、

堂々巡りになるから理由は聞かなかった。

家業を継ぐのが嫌と言われても、

私は女だから継ぐ事は出来ない。

もし私が男に生まれたら私が背負えた。

でも女だから弟に丸投げするしかなくて。

弟は家業を継ぐのも嫌だし、

反発する勇気もないみたいだし、

どうしたいのか見えてこない。

弟は18才。

まだ若いし、あきらめる年齢ではないのに。