幻聴

夏の夜、一人で部屋にいた。

突然、いるはずのない母親の声。

あんたなんか産むんじゃなかった。

何で女なのに生まれてきたんだ。

とっとと死ね。

この3つの台詞がエンドレス。

母親の金切り声で3時間聞こえてきて。

耳から聞こえるのか、

脳から聞こえるのか、

仕組みは分からずとも、

いるはずのない人間の声が幻聴として聞こえ。

幻聴と分かった所で解決できる問題ではなく。

ツライとかそんなレベルではなくて。

気が狂う寸前だった。

こういう過程を経て、人間は廃人になるのだと

リアルに想像できて、恐怖でしかなかった。

2016年8月の出来事。

はっきりとした幻聴はその時が最初で最後。

もう二度と経験したくない真夏の夜の思い出。